nomuran's diary

野村直之のはてな日記(後継ブログ)です

良いソーシャルサイトと駄目なソーシャルサイトの違い

Google Developer's Day に行って、「この人達は技術というより対ユーザの思想が優れている」と感じたポイントは、「すべての既存サービスを(さりげなく)ソーシャル化する」というメッセージ、宣言でした。

Googleの 既存サービスも、「必要最小限の調べもの、作業が終わったら1秒でも早くいなくなって(本業に戻って)ください」「ピンポイントで見つけてください。気を散らさないようにシンプルなUIで控えめにお手伝いします」という思想に基本的に貫かれているといっていいでしょう。

その延長にある「ソーシャル化」であれば、「ちょっと調べものするときに、似た問題意識の人の過去の意見やノウハウ、実際に調べた痕跡をチラ見させてくれたら有り難い」というニーズに応えたり、「・・欲しい答えがないから質問を残しておこう。次にログインしたときに誰かの参考意見が見れたらうれしいな」というニーズに応えたりすることでしょう。決して、「ほらほらこんなにたくさんユーザがいます。膨大な記事がアップロードされてます。」と誇るようなUIにはなりません。

ましてや、かつてのパソコン通信時代に負け組になった事業者のように、
「ここに集ってお互いにたっぷり時間を使って遊んでいくように」
というスタンスが垣間見える作りにはならないことでしょう。

そうです。これ見よがしの社交場っぽさとか、運営者はインフラ提供で所場代と広告収入をいただきたいので、無料で記事をたっぷり投稿してください、我々のためにたっぷり時間を使ってください、という本音が見え見えのソーシャルサイト、CGMサイト(英語では UGC=User Generated Contents based Web site) は、駄目なソーシャルサイト、と思います。

この意味で、

「みなさまの力が必要です」
「盛り上げてください」

という趣旨のことをあからさまに書いているサイトについては、呆れたり、見識を疑ったりせざるを得ないものがあります。
本音がそうであっても、普通はそれを隠して、もっと賢く立ち回るものですよね。
 
本来は、「このサイトはこんなに便利に使えます。たびたび戻ってくれば毎回なにか役立つ良いことがあります。」という体験をしてもらって実績を積み上げなければならない。
 
上の最後の部分は、自戒の言葉としてもしっかり肝に銘じておきたいと思います。