nomuran's diary

野村直之のはてな日記(後継ブログ)です

トリプル、デスカントホルン日記(3)マウスピース

今日は、備忘録的に、自分の唇とリコキューン393Xに合うマウスピースについてこれまで気づいたことを書いてみます。

購入後17時間で臨んだ3/20のホルンアンサンブル会では、アトリエmomoの 31Dという、内径17.25mm 音響処理、インナーゴールドを使いました。リップスラーをはじめとする柔軟性に優れているように感じたためです。実際、3時間以上いろいろ吹いてバテバテの状態で、Mozartのホルン五重奏曲のホルン五重奏編曲版でソロ・ホルンパートを1,2,3楽章、吹きとおすこともでき、最高音域をカチッと当てる以外はあまり欠点はないかも、という感じでした。

翌日以降、TilzのポピュラーなS8も悪くないけれど、ツボの狭さ、シャープにフォーカスしたサウンドが出せるバリエーションとして、E.シュミット、ティルツをいろいろ試したところ、リム幅の狭い(細い)Tilz S3がしっくりくることがわかりました。室内楽や室内オーケストラで、しっくりきます。

393XのLow F管が非常に優れているので、ウィンナホルンとの相性が良いことがわかった、JKを試してみました。すると、Yamano楽器さんが標準添付している 2DKが、大音量でブラッシーな音も出る感じなのを発見。17.5mm内径の2DKだけで、3種もってます。
2DK-A1
2DK-U21
2DK インナーゴールド →これが良い音色かつ大音量向きのようです。
17.25mm内径の32DK も悪くないけれど大音量でなく耐久力志向。カップ型のDMシリーズが合う曲もあるかもしれません。

いろいろ試して、可能性は感じるけれども決定版にいたっていないのが、17.25mmのCタイプでリム5種、カップ8種、17.5mmのDタイプでリム3種、カップ2種あり、膨大な組みあわせができるTADです。

明日のホルンアンサンブル、明後日の木管6重奏の練習で、BachやTilzの17mm以下の小口径と合わせ、引き続き相性を探ってまいります。

トリプル、デスカントホルン日記(2)High-Eb管の意外なメリット

H-200のHigh-Fゲシュトップキーを5/4管にして疑似High-Eb管にしてますが、やはり、393Xの本格High-Eb管にはかないません。
E.Schmidtの、曲における運指例のページにあるように、細かいパッセージや、大きな跳躍などで、低音部や中音部をHigh-Eb管にして、絶対にはずさず、正しい音程で軽やかに演奏するテクニックもあります。

High-Eb管の意外なメリットとして、頭で考えて「そうだ!やってみよう!」と思いついたことが1つ。
はい、ゲシュトップが超簡単でけた外れに安定し、音程も正しいというメリットです。
デスカント管は、右手をベルにフルに突っ込むと、全音、音程があがります。
はい、High-Eb管でこれをやると、in Fの譜面を、F管の標準指使いのまま、鼻をつまんだようなストップ音で、綺麗に、何の不安もなく、正しい音程で音を並べることができるのですね!

低音域(一部出ない音もでてきますが)のストップ音とは出しにくいと言われますが、思い切り息を吹き込んでも砕けることなく、高いキャパでクリアに鳴ってくれます。

微妙に音色が違うので、Low F管のストップ音と切り替えますが、こちは、半音ずつ下げた指使いに瞬時に読み替える癖はついているものの、臨時記号だらけになったりすると、初見では難しいこともあります。High-Eb管ゲシュトップは、とにかくどんな譜面でも間違える気がしません。息の圧力の差が広がるはずなのですが、オープン音に切り替えたときもふらつかず、安定した音、正しい音程で演奏しやすいと思います。楽器の個体差も若干あるかとは思いますが。

楽器のカタログや教則本には記述が見当たらず、なかなか経験者にしかわからない単純なメリットだったかな、と思った次第です。

ps. 393Xの前身、393の魅力がかなり語りつくされているブログです:
http://ameblo.jp/t-corno/entry-10367271313.html

トリプル、デスカントホルン日記(1)

3/19夜に購入した新楽器。

35年ぶりの新品購入です。2007年頃設計の軽量で素晴らしい音色のフルトリプル、リコキューン393X。音程が正確でツボが狭く、スタミナも持ちます。購入して17時間後、大学オケのホルンOBOG会で初披露いたしました。8割方Low F管で吹いた曲も何曲かあり、いきなり良いパフォーマンスを発揮してくれました。

最高なのは、より音色が良く、音の繋がるHigh Es管と、バロックなど向けに軽やかなハイトーンの High F管との間で、4つの管の2セットを完全に切り替えられる点です。どちらの指使いも板についているので私向きに格好の楽器。写真は、High Es管の状態です。

中古で導入した二本を下取ってもらった残金70数万円のうち、50を2%金利の10回払いとしたので負担も極少。ホルン増えすぎて困ってた問題も解消し良いことづくめです。

ちなみに、たしか20年以上前に設計されたシュミットのフルトリプルですと、High Es管バージョンと、 High F管バージョンの二本を買わねばならず、合計額は500万越え。

大変良い買い物でした。

トリプル、デスカントホルンの類は、2011年にセミアマ?の室内楽団への入団の少し前に、Holton H-200という、ダブル・ゲシュトップキー付きB-High Fのデスカントフルダブルを買ったのが最初で、こいつはまだ所有しています。両サイドの音色の差が極少なのが美点。楽器が勝手に鳴ってくれる感じはまったくないので、ドライブ型の奏者に向いています。古典の渋い音は出にくいかな。ここ5,6年の録音の大半がこれです。たとえば:
教会でのパイプオルガンとの即興演奏「J.S. Bach-Gounod "Ave Maria"」
酒席での即興演奏「C.Reinecke "Trio for Oboe, Horn and Piano"」

吹き込んだ息はきっかけに過ぎず、楽器自体が勝手に鳴ってくれるような名器の候補を多数試して、リコキューン233, 借りて273(F管が超良い!)にいきついたのですが、ヤマハのフルトリプルがドライブ型でしんどかったところ(非常に信頼できる楽器でしたが)、これらを処分して上記393Xを入手した次第です。

http://www.yamano-music.co.jp/hard/userProdDetail.do?goodsCode=G000028098

【K.494a】51歳で祈念したことの1つが既にやられてた件

 信長の呪い「人間50年〜♪」をクリアして、自由に個人目標たてられるな、と思って、楽器演奏、古典音楽に関わった集大成として、いくつかのやりたいことを1つに統合したプロジェクト案がありました。

モーツァルトの未完のホルン協奏曲ホ長調K.494aを完成してプロオケとともに演奏すること

 容易ではありません。モーツァルトの定番のホルン協奏曲1番から4番までの4曲など、複合3部形式に緩徐楽章と6/8拍子で馬がギャロップするようなロンドというシンプルな形式でした。これに対し、494aは、古典音楽の粋、ソナタ形式を初めて導入。しかし、当時のナチュラルホルンではどうしても出来ない限界を回避するように書けなかったのか、単純に曲想に行き詰まったのか、1楽章の提示部の途中で絶筆になってました。最後10数小節はソロだけになり、3連符が4つ続いた小節で、ふつっと途切れています。
 
第一主題:(ホ長調の階名で)ドーミーソーーーミド、ファーーーレシ、ド、レ、ミー。
第二主題:(ホ長調の階名で)ミーファソラソソー-、ドシラソラファソ、

 完成していたらさぞかし美しい、まとまった作品になっただろう、と惜しまれて

 古くはバリータックウェル、最近では、ヨハネスヒンターホルツァーなどのホルンの超名人が、モーツァルトの絶筆になったところまでの演奏を録音していますが、彼らの録音も直筆スコア通り、上記の3連符の4つで突如途切れて終わっています。

2010年に一度かるく調べた際には、完成版はなかったようにみえました。
200数10年間、完成されずに残されていた作品。と、つい先ほどまでは思い込んでいました。


それが、胸騒ぎがして先ほど調べてみたら、youtubeに2011年に2つのバージョンがあるではないですか!
(1)スペインはグラナダのオーケストラ、Orquesta Ciudad de Granada Horn: Oscar Sala氏による演奏。彼が補筆したのでしょうか。ホルンの特性、得意な節回しのことがよくわかっている演奏です:
W.A.Mozart " Unfinished" Horn Concert K.v. 494a
Horn: Oscar Sala
Conductor: Josep Pons

(2)謎の演奏:
http://www.youtube.com/watch?v=DgtWxiTvTf8

 聞いてみればわかりますが、(1)>(2) と思います。

さて、目標が無くなってしまったのか? これが問題。
でも、ハードルが上がったのか下がったのかわかりませんが、ソナタ形式の本格的コンチェルトとして、優美な緩徐楽章(A-durかfis-mollか?)、そして、Allegroの終楽章(6/8でなく2拍子が良さそう)を完成する、という仕事はまだ残っているようです。

第一主題も第二主題もモーツァルトが残してくれていた1楽章と比べてなんてハードルが高い仕事でしょう。生まれ変わらねば無理〜という感じ。

でも、0.1ppmくらいの可能性を切り捨てずに、時々頭で1楽章を奏でたり、吹いてみたりしながら、もしも霊感が宿った暁には2楽章、3楽章を書きかけてみるかも。うーむ、でも、2度あることは3度ある、、というか、現時点で悠々自適の人だったり、スポンサーに依頼されたプロの作曲家が世界中で何人か手がけているかもしれず、、です。

でもでも、 1楽章も含め、yet another version があっても良いかもしれない。

何より、あと最低15年は、現在の腕前を維持・向上させるべく、超効率よくホルンの練習・演奏を続けることが大事、と改めて認識しました。

Windows8 さりげなく音声認識が実用的に!

新年早々、びっくりしました。

3300円で、Windows8の期間限定アップグレードをしたマシン(本体1万円のサーバ機)に、USBヘッドセット780円也を付けて楽しく音声機能を使っていたのですが、なにげなくコントロールパネルの、アクセッシビリティという普段は全然使わない設定をクリックしたところ、どんどんメニューが進んで、音声認識が実用的に使えるようになっちゃいました。

下記画面は、簡単な話者適合を行って、日本語で1文喋ったのが正しく認識された結果です。

この他、ブラウザのタブの切り替えや、メニュー、ボタンの隠れたままのアプリの画面を1つ開いたり、などが、音声認識で便利に行えます。
 
実は、職場の MacBookAir のOSを、「山獅子」にアップグレードし、高速タイピングにつかれたときや、文字認識の精度が低くて困ったときなどに読み上げ、dictationの入力を時々実用に使っていたところでした。これからは、Windowsでも普通にできるようになった感じです。

音声入力は、メタデータ社で出している対話ロボットとは抜群に相性が良いです。
こんな風にできます:
http://www.youtube.com/watch?v=MaOUuqN0IyY
Web受付嬢に音声で話しかけて回答得たり指示します MacOS 10.8.2 Mountain Lion

機械翻訳と同様、音声入力も「古くて新しい技術」。
その不幸な歴史は、恣意的に目標精度数値を設定し「この認識率になったら使います」と各分野でやられてしまい、かな漢字変換のように、とにかく使いこなすことをMUSTとして、UIや簡単な学習機能を、少しずつ少しずつ、現場の小さな工夫の積み上げでカイゼンしていく、というサイクルがなかなか怒らなかったことによる、といえましょう。

しかし、こんどこそ、わかっている人には十分使えるようになった、と確信させられる出来事でした。

明けましておめでとうございます。

今年は、Twitter, Facebook, Weibo.com の7つのアカウントばかりでなく、少し「溜め」をつけてから執筆するブログを書く頻度を上げたいと思います。
 
1つのきっかけは、夏に再び大学院で講義をするようになったこと。
教材つくりを兼ねてというわけではないですが、ブログ程度の1単位の論考、主張をさくっと、15分程度を目標に上げる習慣をつけて、本業のツール提供(ネガポジAPI, 中国語版ネガポジAPI、感情解析API、したいこと検索API, 5W1H抽出など)のコンセプトや、Visual summarizerという積年の課題を皆様と実現していくための、コミュニケーションの場として、ブログの良さを見直した次第です。頭の中で論考、レトリックをまとめておいて、一気に音声入力で書き上げられたら、さらにシナジー効果が上がりそう。

ITと音楽をテーマにしたこちらの日記や、
メタデータを駆使したサービスがテーマのIT Media オルタナブログ

技術情報については、Cnetの拙コーナーにも久々に投稿しようかと思います。

そうそう、もう1つのきっかけは、年末に日経ビジネスさんの取材を受けたことです。
起業以前から、「ホワイトカラーの知的生産性、能力の拡大支援」を一貫して課題としてきたことを掘り下げて取り上げてくださり、感謝感謝です。原点をみつめ、今年も精進いたします!

今年もどうぞよろしくお願いいたします。

キーパーソンに聞く
やる気が出て仕事が楽しくなり、出世の手伝いもしてくれるソフトとは?
野村直之・メタデータ社長に聞く 2012年12月28日(金)




 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

YouTube動画を速度変えて視聴 〜HTML5対応ブラウザで

動画はわかりやすいがやたら時間が食われて困る、という向きに、速聴出来る方法のご紹介です。私も、音楽以外は日英語コンテンツは2倍速で聴きたいので、だめもとで検索したらありました! 

ブラウザとしてChrome等を使い、(→※)
http://www.youtube.com/html5
にアクセスしてください。この画面左下の方に、

HTML5 試用版が無効になっています。
HTML5 試用版を有効にする

とあります。この「HTML5 試用版を有効にする」をクリックします。すると、

HTML5 試用版が有効になっています。
HTML5 試用版を無効にする

という表示に変わって,速度変更や画面サイズ変更を含む、HTML5の機能が有効になったことが示されます。
一応ブラウザをいったん終了して再起動してみてください(再起動は不要かも)

条件をみたした動画については、写真のように、画面下部、右の方にあるギアのマーク(設定変更くらいの意味でしょうね)をクリックすると、解像度変更と、0.25倍から2倍速までの速度変更メニューが出てまいります。

ちなみに、この動画、私のホルンの師匠の師匠、Prof. Dale Clevengerが、母校のカーネギーメロン大学に招かれて講演したときのものです。いまでも謙虚で、I am still a student. などと語っておられ、感動的です。奥様を亡くされて半年ほどの時点での講演ですが、暖かいユーモアとホルンの後輩への愛情に満ちています。

※実はChrome以外にも、次でもokのようです。全部は試してませんし、
FirefoxOpera では、WebM トランスコードの動画のみ HTML5 で再生されます」などの制限も強いようですが。。

■対応ブラウザ■
HTML5 動画タグ、h.264、 WebM 形式をサポートしているブラウザなら、Chrome以外でも、(ある程度)対応しているようです。
Firefox, Opera, Safari,
Internet Explorer 9
Google Chrome Frame をadd-on済みの Microsoft Internet Explorer 6、7、8