nomuran's diary

野村直之のはてな日記(後継ブログ)です

二夜連続ドラマスペシャル のだめカンタービレinヨーロッパ

二夜連続ドラマスペシャのだめカンタービレinヨーロッパ - フジテレビ
http://wwwz.fujitv.co.jp/b_hp/nodame-sp/
 
本ブログはもともと、シューマンを中心に音楽の話から始めたのですが最近とんとご無沙汰だったので、一筆。
 
いやー、実に素晴らしいドラマでした。
ヨーロッパロケでフルオケを長時間雇うは、聴衆も欧州人で満席にするは。現地の登場人物も原作にかなり忠実な印象でした。「ここから字幕でなく日本語(吹き替えっぽく)で」という画面が入ったことで、子供も違和感なく溶け込めました。※わずかにきわどい台詞、シーンもあったけどすぐにギャグになったので、まぁ、映倫カット不要と判断。
 
今朝、この件で息子のバイオリンのレッスン先で別の先生(コンサート・ピアニスト)と話しこんでしまいました。彼女は私が昔、新響でホルンを吹いていたのを知っています。
 
・台本通りにきっちり間違えた演奏ができる影のプレイヤーは達人
・指揮者コンクールの間違い探しで一般の人にも指揮者の耳と頭脳の超絶の働きが知れるようになったのは嬉しい
 ※パーフェクトとなった間違い探しの中で、ちょっと有り得ないくらいの正答は「2番ホルン!1オクターブ低い!」です。本来の音程と同じ倍音出ているし、オケ全体にかき消されて普通はわからない(私も聞き取れませんでした)。
・でもやはりオケマンはちょっとしたことで指揮者が嫌いになる
・ホルン吹きに「小さく!」と言ったら嫌がられるのは万国共通
・石造りの教会でのピアノの響きは本物
・千秋役の玉木氏の指揮の猛練習ぶりは凄い(編集でスローにして音楽とずらすな!)

などなど。
 
とりあげられたオケ作品は全部演奏したことがあったし(除BGMだけ登場の曲の一部)、R.シュトラウスのティルに至っては某オケのオーディションで吹いた思い出もあります。昨日ついつい楽器を出して最初のソロを吹いてしまいました。
 
息子曰く:
「音が大きすぎ!」
 
ちゃん、ちゃん。


ピアノ作品はモーツァルトと、フランス物やリストの難曲が中心で、これも楽しめました。
ラベルの「道化師の朝の歌」なんかはオケの管楽器でやるとトリプルタンギングで悶絶しますが、ピアノでアップ・テンポで演奏する様子は見るのも聴くのもビックリだし心地よい快感です。



ヨーロッパの音大生専用アパートについて少し書こうかと思いましたが、しっかり実体験をふまえた記事があったのでその紹介をさせていただきます:

漫画のだめカンタービレ「ヨーロッパ留学編」はどこまでリアル?
http://www.borderlessmusic.com/blmusic/nodame/003.htm


上野樹里は、てるてる家族の三女秋子役(変わってるけど4姉妹で一番の知性派で理系院生)を見て以来注目してきました。映画では、「亀は意外と速く泳ぐ」という変わり種から「スイングガールズ」(のちの主役級を輩出した凄い女子高生主演陣;竹中直人氏は先生役でここにも出てます)まで、楽しませてもらいました。ちょっとひねて変わってるけどど根性と、突き抜けたパワーで猛練習もこなして天才的なパフォーマンスを上げる、というキャラの役の方から彼女を呼んでいるみたいなキャリアですね。

「大きなお年玉!」上野樹里、新春インタビュー「のだめカンタービレ新春スペシャル IN ヨーロッパ」
http://sankei.jp.msn.com/entertainments/entertainers/080101/tnr0801011233003-n1.htm

今回、アヴェ・ヴェルム・コルプスの合唱に深く感動したのだめが先生に「あなたモーツァルト嫌いなの?」と言われて深く傷つく様子を見事に表現したり、演技の幅も大きく広がったように見えました。


この2夜連続ドラマは、本当に映画2本分。
コメディ+アートの傑作といえましょう。原作が本当にしっかりしています。


おまけですが、ついつい発注してしまいました:

ただの音ゲーでなく、リモコンで指揮したり、ヌンチャクで楽器が弾ける、しかも4人までの合奏ができるみたいなので楽しみです。