やはり2010年は『スケールアップ』に回帰する年だったようです。
・スケール・アップ:同じ台数のサーバの中身を増強してパワーアップ
・スケール・アウト:サーバの台数を増やしてパワーアップ
パワーアップとは、ざっくり、単位時間あたりの処理容量増大する、という意味になります。
玉川竜司さんが去年翻訳された「Hadoop」に代表される、安いマシンを大量に使ってサービスを提供する、というのはGoogleさんがここ10年来実証し、クラウドセンターの基盤として定着している、スケール・アウトの方式です。
スケール・アウトの方式の問題は、不具合のあったハードや基本ソフト、ミドルウェアの類を1台1台調整したり、破棄して取り替えたり、という手間とか、電気代とか、いろいろあります。クラウドセンターなどでは、選択肢が無いから、割り切ってがんばる、洗練された運用管理の手順を確立する(将来はロボットが部品を交換する方向に行くでしょう)、ということになります。
しかし、プライベート・クラウド、一般のユーザ企業のサーバをどうするか、といったら、やはり専門ではない運用管理の共通オー場ヘッドの削減によるコスト削減が喫緊の課題となります。
それにCPUメーカ2社が答を出したのが、インテルの6コア i7とか、8コアのXeon、仮想コアによってOSによるハード利用効率を上げる仕組みだったり、AMDの12コアOpteron x 2 のマザーボードだったりします。
下記のTwitterつぶやきは、4/1 専用の記述:
http://twitter.com/nomuran/status/11373124723
でも、次の記事は本物です:
12コア/8コアのOpteronが発売、横長の新ソケット採用
http://akiba-pc.watch.impress.co.jp/hotline/20100403/etc_amd.html
このOpteron 6100 の横長パッケージをみると、1984年にスーパーコン開発チームに在籍していた人間として、興奮してしまいます。
実8コアのチップのエントリーモデルが3万円台前半と聞いたら、自社のサーバ・アプリを動かして、どこまでスループットが出るのか検証してみたくなっちゃいます。
仮想化の話はとても詰まらないです。なぜなら、大して利用されないサーバアプリが世の中にはあふれているのだなぁ、ということで、インストールや運用管理の手間はそのまま、仮想マシンの台数に比例するだけ残して、節電とハード費用の削減、関連して不動産スペースの削減、というだけだから。
どんどん価格低下していくハードはふんだんに使って、人間の仕事、特に不毛で辛い、判断の揺れが生じるような情報処理作業を機械に代替させるため、1台のサーバを働かせまくる。最近のメタデータ社の流れは完全にこの方向性となっています。
それを、運用管理担当者に手間をかけさせないよう、強力に後押ししてくれるのがスケール・アップのハードと、OS,ミドルウェアなどの仕組みの対応です。
レッドハット社は、早速、12コアに正式対応したRHEL5.5 をリリースしました:
http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20100331/346451/
昨日書いたツイートには、「1日を1時間に縮める1台」という衝撃を込めました:
http://twitter.com/nomuran/status/11350965149
このスケール・アップの流れはどこまで行くでしょうか。
ps 4/1 ネタを期待された方、すみませんでした。
過去のものでもう1度笑ってやっていただけたら幸いです:
.さきほどのOpteronのもじりはお粗末様でした。この名でデストロンを思い出したので、以前の4/1ブログをご紹介: http://d.hatena.ne.jp/nomuran7/20080401 「向こう10年の仮面ライダー・シリーズ発表」