nomuran's diary

野村直之のはてな日記(後継ブログ)です

2008年の10大セマンティック・ウェブ・サービス紹介サイトなど

 先日、1/9に品川の日立システムアンドサービスさんで開催された XMLコンソーシアム Dayで、Web 2.0部会のメンバーが、セマンティックサービスについて話してくれました。技術や規格、そして「ソーシャル」との接点の1つとして期待される OpenSocial APIを紹介してくれたのは東芝ソリューションの西一嘉さんと、日本ユニシス小林茂さん。セマンティック的なサービスの事例については、日立システムアンドサービスの湯本正典さんが日本のkizasi(流行る兆しの言葉をジャンル別に自動集計し紹介)と、海外のTwine(知識編集)を。IT Frontierの加藤晶子さんがレストラン検索のBooRahを。そして、ナレッジワークスの亀山悦治さんがSemanticの技術をブロガー向けに提供するZemantaを紹介してくれました。

・・中略・・

■セマンティック, Sematic, semantic ..

  XMLコンソーシアム Dayは、対外的な講演で、XMLやWebの技術に通じているわけではない聴衆の方に、新サービスやテクノロジーの本質を伝える、という使命があります。そこでWeb 2.0部会の最初のところで、湯本さんが次のようにすっきり整理して説明してくれました:

Semantic WebW3Cで定義されたもの (Tim B. Leeの提唱)
semantic web:広くメタデータ等を利用したもの
semantic technology:情報の意味や関連性等を理解しそれに基づいて処理を行うもの
semantic service:semantic technologyを利用したサービス

 最初の2つですが、RDFというオンライン・リソースの関連付けを規定したXML記法をベースとしたW3Cの規格は「大文字セマンティック・ウェブ (Upper case "Semantic Web")」と呼ばれたりします。そして、microformatsやローカルな取り決めを含めて何らかの共通メタデータを活用した仕組みを「小文字セマンティック・ウェブ (Lower case "semantic web")」と呼ばれたりします。前者は唯一の規格だから固有名詞、後者は、今後もより優れたデファクト標準が出てくるかも、今でもいろいろあるし、というニュアンスで普通名詞だからです。

・・中略・・

 readwriteweb.com という先進的なWebの技術やサービスの最新状況を紹介するサイトに、Top 10 Semantic Web Products of 2008があります。実は、もう10本のサービスが同サイトで紹介されていますが、こちらは適宜またの機会に触れるとして、Top 10を駆け足で眺めてみましょう。

1. Yahoo Search Monkey: 

 検索のためのオープンな開発者向けプラットフォームです。自社のみが開発し、サービス・インするのであれば、別にその内部の情報構造を開示する必要はありません。しかし、多くの外部の協力を得て、セマンティックな構造化を行い、共通的に洗練させていこうというのであれば、自社固有のメタデータ構造を開示するか、Semantic Webなど公開の共通規格をもちいて従来の様々な意味構造(ソーシャルグラフとか)を書き換えて、データの可搬性も高めていかねばなりません。こうして協力を募ったデータの所有権を認め、それを用いたアプリの開発を外部に奨励することで、オープンなセマンティック・インデックスの開発に着手した、ということで、極めて高く評価されています。共通メタデータ、インタフェースには、RDF (Semantic Webの基盤層) だけでなく、microformatsや、Atom, RSS, そしてOpenSearchなどのAPIやページ抽出のインタフェースを柔軟に採用しているようです。

・・中略・・
3. Open Calais :

 これは、ある自然言語処理ベンチャーをロイターが買収したメタデータ自動抽出エンジン、サービスです。実は、カバレージや解析の深さは違うものの、私の会社、メタデータ株式会社のMextractr 5W1H抽出エンジンとかなり似たことを英語(近く仏語も出るらしい)でやってくれるサービスです。意味属性の識別を、モノ名詞や数量表現を中心に5W1H階層化して詳細に(300数10種類)解析可能なMextractrに対し、イベント(出来事)の分類がやや細かく、他は大雑把であること、正規化や数値化して、他の表現メディア(地図、カレンダー他) とすぐにマッシュアップできるようにする、などの機能は無いようです。しかし、最新のVersion 4 では、Wikipedia, GeoNames、Internet Movie Database (IMDB), Shopping.com 等の巨大Webデータベースとリンクしたり、他の人々とメタデータを共有する仕組みを充実させ、商用サービス指向を強めています。

・・中略・・

【ご招待】2/4 第10回KM研究会 「ソーシャル vs セマンティック」 KMを加速するのはどちらか?

基調講演1 BtoCのソーシャルのうねり「グランズウェル」を取り込んだマーケティング戦略(仮題) 
山崎秀夫野村総研

基調講演2 社内SNSの成功をグループ内SNSにどう発展させるか
        〜見えない効果への挑戦
酒瀬川泰孝(NTTデータ
 参考:http://diamond.jp/series/socialweb/10012

パネル討論 基調講演者 +α 
     モデレータ:KM研究会代表・野村直之(メタデータ
事前参加ご登録は、メールにて承ります:
宛先:km@metadata.co.jp
件名:ビジネスモデル学会第10回KM研究会参加申込

本文に下記を含めてください:

名前:
所属:
ビジネスモデル学会会員区分:会員 非会員
e-mail:
(↑送信元と違う場合)

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続き、リンク情報、ならびに省略部分はこちら:
http://japan.cnet.com/blog/nomura/2009/01/19/entry_27019575/