nomuran's diary

野村直之のはてな日記(後継ブログ)です

ROAのプロビジョニング企業がさりげなく日本に登場

SOAP/WSDL という、やや複雑で敷居が高いWebサービスの時代には、その企画、ライブラリ類の仕様、各種conventionなどを全ユーザ企業が覚えるのは明らかに全産業として頭脳労働の無駄遣いっぽかったところがあり、その部分を専任でまとめて代行するプロビジョニング企業の出現が論理的に予想され、あるていどその通りになりました。
 
例えば米国ベンチャーのSerena社などがありました。彼らは1年以上前から、普通で言うエンタープライズマッシュアップ、自称「ビジネスマッシュアップ」企業として、コンサルティング、SIで活躍しだしたように見えます。
 
日本のリアルコムさんなんかもそうですが、なぜ彼らは自称あるいは第三者から、RESTベースの機能集約、データ集約技術のプロビジョニング企業、と呼ばれないのでしょうか。理由は簡単で、技術の敷居が低すぎて、実際に実装も極端にシンプルな場合が多いので、上記の前提が成り立たない、と思われているからでしょう。

しかし、RESTベースの集約技術、Webアプリのアーキテクチャが今以上に普及してくると、純粋なユーザ企業のためのノンプログラミングツールが喧伝されるか、あるいは、プロビジョニング企業が名乗りをあげることになりそうです。、、と思っていたら、その通りになりつつあります。

前者については、IBMさんがぶっちぎりで、来月あたりに、Mashup Center製品群で裾野をひろげようとしています。

後者については、まさに、相対的に軽量ながら、独自アルゴリズムもユニークなデータももたずに、公開データをREST API化したものを近いうちに有料でつかってもらうというサイトが現れました:
http://www.pb-lab.net/wsm/

著作権も独創技術もないので実質、WebAPIとしてラッピングする手間の節減に対価を請求するサービス、ビジネスです。

このままでは、ちょっとひねりがなさすぎるので、巨大化もできないし、特定少数顧客の囲い込みも難しそうな気はしますが、、以前書いた、Scaffold としてのWebAPIを、単なるデータから簡便に作り出すこころみの1つとして注目していいところはあるでしょう。

ROAのプロビジョニング企業、というとおおげさに聞こえまずが、誰もがちょっとやればできることを代行するサービスがオンライン化した、という点が、じつに普通っぽくさりげないながら、まだ新しい、面白い試み、と見えるので心にひっかかったようです。

実際に中をのぞいてみると、実によくまとまっています。
なぜこれを作ったか、どんなときに役立ちそうかなど、簡潔明瞭に書かれています。

WebAPIを使いやすく提供したい企業にとって、1つのお手本になる点だけでも、感謝の気持ちがわいてきます。