nomuran's diary

野村直之のはてな日記(後継ブログ)です

向こう10年の仮面ライダー・シリーズ発表

石ノ森章太郎さんは1998年に亡くなられました。

700超のオリジナル・ストーリーを残していかれました。
多方面の興味だけでなく、1つ1つに細部へのこだわりをもち、仮面ライダーの新タイプのデザイン画も膨大な数を残されたとのことです。このあたりの薀蓄は、先週末の下記特別番組で知りました。

最終夜:仮面ライダーシリーズよ永遠に 3月29日(土) 後8:00〜前3:00
http://www.nhk.or.jp/tokoton/html/tt7.html

昔のライダー番組をみると、脇役の女性はか弱い悲鳴をあげて苛められていて、それを正義のヒーローが救う、という様子が描かれています。今の子供達には新鮮なようです。もはや「男まさり」などという言葉が死語となり、主役級の女性がスーパーアクションで怪物と戦う最近の番組を彼らは見慣れていますから。

平成ライダーで、異色ぶりの演出に、次の2つのポイントがありました:

「弱い男子」:クウガだったか、戦って元の姿に戻ったあと「あー怖かった」と発言。
「バイクにのれないライダー」:響鬼さんは、四輪でエンストさせて中学生に「ペーパーですか?」と言われ、バイクでも、ブレーキのかけかたがわからず、道路脇に格好悪く激突。

向こう10年では、ITが日常生活にさらに浸透します。潤沢経済のもと、「フリーライダー」がどんどん出現して新しいビジネスモデルが出てくるでしょう。仮面ライダーシリーズにもITの影響はもちろん、さらに盛り上がるクラシック音楽ブームにのって、響鬼さんの太鼓、キバのバイオリンに続いて、続々と楽器を奏でるライダーが出現してまいります。ですので、「ITと音楽」をテーマにした本ブログだけ、標記の秘密を知り得た、というわけであります。

 
2009年1月〜「仮面ライダー"あキバ"」登場! 
「キバ」の人気が盛り上がりきらなかったのは、バイオリン人口がどうしても限られるせいでした。
それに比べると、アキバ系の人口は既に十分多く、さらに増加中。今のところ次の特徴をもったキャラが予定されている。

 ・顔が汗でテカっているのでUSB扇風機でいつも冷やしている。
 ・バイオリンの代わりに、オフ会で持ち寄ったウクレレを初心者から練習。
 ・ソフマップヨドバシカメラ石丸電気の音楽にのって登場。
 ・変身の際のかけ声は「萌!」
 ・メイド喫茶で「お帰りなさい!」と言ってもらうのが戦士の休息であり癒しである。
 
2010年1月〜「仮面ライダー"いびき"」登場!
  一昨年フランスで放映された仮面ライダー響鬼の逆輸入版。「H」が発音できないフランス人の特徴を残してネーミングしたが、せっかくなので、他のヒーロー、ヒロインが戦闘している間もいびきをかいて寝ている、というキャラで登場。
  ジャックルーシェのJ.S.Bachのジャズ演奏に象徴される、古典とモダンの洗練された融合を描くため、慙愧さんはエレキギターからエレキバイオリンに乗り換え、普段はジャズ喫茶で欧州風コーヒーを飲みながら演奏している。
 
2011年1月〜「仮面ライダー"電脳"」登場!
 ついに日本のGDPを抜き、勢いのとまらない中国のライダーファンの要請により、「電王」でなく、ずばり「電脳」ライダーが登場。Kamen LISP をはじめ、各種言語の処理系から、SOAP/WSDL, RESTful他のWebサービスAPIを標準搭載。平時には使いやすいレンタルサーバーとして機能するだけでなく、いざ戦闘となると仲間のライダー達と、機能を"マッシュアップ"。案外正しい「みんなの意見」を取り入れて、数10倍のパワーを発揮するように変身することができる。初音ミクの娘、重音手ミル(かさねてみる)のボーカルの伴奏で、キーボードを担当。
 
2012年1月〜「仮面ライダー"V6"」登場!
 ようやくメジャーになったIPv6を記念するとともに、V4以前、そう、遠い昔、昭和時代に一大ヒーローとして視聴率30%超の化物TV番組だったV3へのオマージュとして誕生。某M○社は、1日も早くサポートを打ち切りたいXPではV6の時代に遅れをとりますよ〜という意味を込めてスポンサーとなっている。
 見た目の美しさをネーミングに込めたWindows Vistaであるが英語圏以外ではちっとも意味が伝わらない反省にたち、、仮面ライダービスタという見た目重視のネーミングよりは、実力本位を貫いた結果、V3に似せたネーミングとなった。ボーカルグループの一員だが、昔の「V6」とは関係ない。
 
2013年1月〜「仮面ライダー"ストリンガー"」登場!
 某多国籍企業S社のCEOに、似た名前の外国人が就任したのは随分前のことであるが、それとは関係ない。仮面ライダー "ストロンガー"の「強さ」に対抗して、弦(ストリング)の「しなやかさ」を特徴とする。超弦理論をモチーフにした難解な映像効果で、22年前とタイムトラベルで行き来するばかりか多次元宇宙を渡り歩くヒーローの真の姿は、子供には殆ど理解できない、と早くも苦情が予想されている。劇中に演奏する楽器はチェロ。
 
2014年1月〜「仮面ライダー"クウか?"」登場! 
  2008年のメタボ対策ブームの反動で、食いまくり太りまくる自由を主張する運動(ムーブメント)が一大潮流となって世界を覆っている。「体重あっぷっぷー!」と叫ぶ、夕方クインテットのシャープさん(大澄ケンヤさん声優)を参考に、戦っても戦っても、そこで消費したカロリー以上を必ず摂取するヒーローが誕生した。楽器はチューバ。
 
2015年1月〜「仮面ライダー"ブラックジャック"」登場!
  もう一人の偉大な漫画作家・手塚治虫先生へのオマージュを兼ねて生まれたヒーロー。苦悩する漆黒のライダー「仮面ライダー "ブラック"」には隠し子がいた。父が改造手術を受けたことの痛みを心にしまい成長した彼は医学部に進学するも中退。腕利きの超優秀な外科手術者になるとともに、自らを改造して「仮面ライダー "ブラックジャック"」に変身。戦って瀕死になった相手をその場で治してしまう美しいシーンは、毎回感動の涙を誘う作品に仕上がっている。
 
2016年1月〜「仮面ライダー"アジト"」登場! 
  哲学からコンピュータ科学の時代になって、「オントロギー」→「オントロジー」と呼び名が変わったのにならい、「アギト」を「アジト」としてリニューアル。敵のアジトを、野生の勘と、コンピュータネットワークで徹底武装したチームワークで発見。法律もなんのその、様々な手口で侵入する手法は、前年に惜しまれつつ放映終了したリアルタイムTVドラマ、「24」の要素を取り入れたものである。一説によれば職を失った俳優キーファー・サザーランド氏が、仮面ライダーの着ぐるみをかぶって体当たりの演技をしているという。
 
2017年1月〜「仮面ライダー"リュウキン"」登場!
  石ノ森先生の遺したイラスト、デザインには、異形の英雄のイメージとして、バッタ系の昆虫や野獣だけでなく、可愛いキャラも混ざっていた。いずれ女子もライダーファンになることを見越した慧眼である。仮面ライダー龍騎のデザインを下敷きに、魚類の面影を残したヒーローとして日本の原風景に含まれる金魚「リュウキン」の美しさをオーバーラップさせた。楽器はハープ。
 
 
2018年1月〜「仮面ライダー"アマゾン・ドット・コム"」登場!
  電脳化の流れにのって、異端のヒーロー仮面ライダー・アマゾンがanalogっぽい野性味を捨て、フル・デジタル化。仲間の仮面ライダー "アマゾンWebサービス" と共に、既存の秩序と戦う。倒す敵を選ぶ際には、必ず自分のサービスにアクセスして、「この敵と戦った人は、こんな敵とも戦っています」というレコメンデーション・エンジンのお世話になっている。

 
そして、11人目、ついに究極のヒーローが誕生します。
2019年1月〜「仮面ライダー"グーグル"」登場! Googleのすべて WEB2.0への道2 (Impress Mook―WEB2.0への道)
  実は2006年の時点で、「仕事に使える11人のライダー(サービス)達」という特集がインプレス・ムックで組まれていたことを記憶する者もいまや殆どいない。同じように数えると、サービスの数は数百万種類に達しているからである。これら無数のWebサービス群をユーザにわかりやすく見せるため、それぞれが仮面ライダーの姿をとって、立体ホログラム映像でユーザの周囲に現れるようになったのである。その風景や、使い方を収録した実写ドキュメンタリーが「仮面ライダー"グーグル"」という名のチュートリアル3Dビデオである。
  まだ危険な未完成の先進的な必殺技は、グーグル・ラボに格納されている。腕に覚えのある視聴者は、オープン・ソース版をチェックアウトして新たなライダーを作ることができる。

  全てがデジタル記録され(Life Log)、検索・再利用されていく時代にもヒーローの存在は必要。ヒーローを眺めたい、感情移入して共に戦いたい、という人間の自然な欲求に依拠したビジネスモデルは相変わらず広告である。戦っている敵の身体表面に広告が現れ、視聴者参加型番組の中で、敵にライダーキックを浴びせると、その広告がクリックされたことになり、広告の中身がライダーの脇に3D表示される。

仮面ライダー"グーグル"」の事業企画書によれば、目下最大のリスクはやはり、クリック詐欺疑惑による訴訟リスク、弁償・補償金問題のようである。しかし、豊富な弁護士費用と、3D表示される広告自体が作品本体と渾然一体化してぱっと見には広告には見えないようにする工夫により対応可能である、とする。一見広告に見えないのは余計性質(タチ)が悪いという説よりも、それでも敢えて、番組鑑賞を中断して販売サイトに視聴者は移動したのであるから、明確な購買意思があったといえるのでは、という説の方が説得力がありそうだから、とのことである。


[参考]

2007.4.1 Goole、無料住宅グーグル・ハウスを発表

Knuth 教授が WEB 3.14 を発表

エイプリル・フール記事にだまされないためのポイント