nomuran's diary

野村直之のはてな日記(後継ブログ)です

フリーになった楽譜作成ソフト

金管バンドのための基礎練1

ボストン在住時代の1994年に、Mac版の楽譜作成ソフトを$199だかで購入しました。
 
しかし、いまいち肩の凝るもので、使い込まずに終わった記憶があります。当時、CRTのVGA画面から800x600、せいいっぱい頑張ってXGA解像度がせいぜいで、20万円くらいの21インチCRTがないとSXGA (1280x1024) なんて望めない状況だったので、画面上でストレスなく五線譜をWYSIWYGするのが物理的に難しかったのかもしれません。
 
それから13年たった昨年秋頃、定番の楽譜作成ソフトの基本機能版がフリーになりました。かつて有償で類似ソフトを利用していた人間として、少し感慨を覚えます。
http://www.cameo.co.jp/notepad/download.html
 
みつけたきっかけは、少々まとまった量の楽譜を書く必要に迫られたから、というものです。
小学校の金管バンドのコーチとして、音域を拡げるための基礎トレーニングの譜面を全パート向けに作るのに手書きでは非効率だから、と窓の杜とかみていたところ、大物の商品版のフリー版が最近出たのがみつかった、という次第です。
 
実際に楽譜を入力してみましょう。 
最初に題名、作者、調性、拍子、楽器群名などの基本情報を入れると、それらに応じた楽譜イメージがデフォルトで32小節分だか生成されます。最初はちょっととっつきにくいところもありましたが、ときどきヘルプを参照すると(Vistaではヘルプが動かないのでMacかXP/2000マシンにもインストールしてヘルプを読む必要があります)、なんとか基本的な入力、編集ができます。
 
低音楽器群のユーフォニウムトロンボーン向けには、コピペして、運指だけ書き換えたものを作ればいいので生産性があがります。何より、MIDIベースらしい論理フォーマットのファイルを試奏させて、何か他のことしながら、誤入力してないか、耳で確かめられるのが有り難いです。
 
印刷結果もかなり美しい。
 
し・か・し、ここで問題が発生。
表示通りに印刷されず、小節が余って、ある段から勝手に次の段に折り返すことがあるのです。致命的なのは、そうした余った最後の小節群が決して印刷できないことです。画面上で2ページに収まっていれば、「全部を印刷」と指定しても、「頁数指定」でも、余った先の3ページ目を印刷する手段がない。
 
しかも、音符は流し込まれるのに、運指、歌詞、などを(おそらく別レイヤーに)文字列として書き入れたものは流し込み対象でないため、どんどんずれていきます。
 
仕方ないので、50%縮小表示の画面を画面コピーして画像として印刷。
これは汚いです。
 
代案として、全休符の小節を2,3個削除して小節数を減らし、綺麗に印刷した結果に手書きで小節線、全休符を書き入れることにしました。全員分です。
 
10数年は売り続けているソフトなのに、このようなバグが取れていないというのは少し驚き。日本語版だけの問題かもしれません。
 
と、まぁ、2時間ほど浪費した分、ぶちぶち言ってしまいましたが、時々お世話になりそうですので、感謝の念は強いです。
 
彼らのビジネスモデルですが、ファイル(F)メニューに、「Finale Showcaseに投稿(H)」というのがあり、楽譜共有コミュニティを盛り上げて、そこから何かしよう、ということかもしれません。クラシック作品は著作権切れているので、動画や、肖像権問題のある静止画より問題少ないかもしれません。且つ、入力が大変なので、共有の価値は高いわけですね。
  
Top 10 Most Popular Showcase Downloads:
http://www.finalemusic.com/showcase/display.aspx?d=top10
 小フーガト短調、くまばちは飛ぶ、、にまじって映画音楽やジャズもあります。
 
あれれ? 投稿が2001年から2003年だぞ。。
 
彼らのビジネスを想って少し心配になったので最新uploadをみたところ、2008/2/1だけで10曲とかuploadされてますね:
http://www.finalemusic.com/showcase/display.aspx?d=new
 
 
古典作品のMIDIファイルのインポートができれば、と期待したのですが、さすがにこれは有償ライセンス版になるかな。。