nomuran's diary

野村直之のはてな日記(後継ブログ)です

Project Zero by IBM

"Zero"というと、個人的には1994年時点での最先端言語学理論のひとつ
"Zero Syntax" が真っ先に思い浮かびますが、Project Zero はIBM動的言語
開発フレームワークです。Eclipseプラグインとして軽快に動作。
Yahoo! Pipesに似たマッシュアップツールも搭載。

Ruby on Railsを研究して長所を取り入れ、改善を考え、エンタープライズ
向けに使えるフレームワークとした、ということでどうも本当に凄いようです。

本日遅まきながら丁寧に説明していただきました。

本体はオープンソースなので全てDLし、読むことができます。
ビジネスモデルも戦略もこれからながら、ヘッドでもロングテールでもなく、
マジックミドルのITをカバーすることを狙っているとのことでした。

エンタープライズ外の個人向けWeb 2.0 をもカバーするSOA
"Global SOA" と呼んでいました。志の高い精鋭エンジニアが
全世界から南カロライナに結集して、Web開発とは何か、について
ゼロから考えた、というのがプロジェクト名の由来とのことです。
開発チームは、社内ながらオープンソースのコミュニティのような
プロジェクト運営体制をとっているとのこと。
Web開発用に提供するスクリプト言語は、GroovyとPHP

公開の日本語紹介記事もありますが、数ヶ月で古くなるので要注意:
http://japan.zdnet.com/sp/report/story/0,2000056431,20353291,00.htm
http://www.atmarkit.co.jp/fjava/rensai3/eclipseplgn19/eclipseplgn19_1.html

本家はこちら:
http://www.ibm.com/developerworks/jp/ibm/library/i-zero1/


今回説明いただいた際には、Google, MS, yahoo、そしてIBMの事業目的、
それに沿った設計哲学が根本的に違うところから、1つのWASあたりの
Webサーバ数とか、VMを磨く、いやlow level codingで徹底的にメモリ
削減しつつ性能追及、などなどの実装アーキテクチャの基本方針の相違
を説明してくれたり、大迫力でした。

パーソナル・Geek = Love Programming vs. エンタープライズ = コーディングは極力避けよ

など、思わずクスリと笑ってうなずいちゃうわかりやすい対比もありました。

驚きでした。こんな訪問は大歓迎です。