nomuran's diary

野村直之のはてな日記(後継ブログ)です

「頭がいい人が儲からない理由」の坂本さんにお会いしました

丸の内コンテンツビジネス研究会で講演された坂本桂一さんにお会いしました。

近年では、プロ経営者、ビジネスインキュベータとして株式会社フロイデ会長はじめ
多数の会社に関与。最近の大きな業績は、Web moneyをブレークさせたこと。

昨日は、2000年の段階で描かれた、Web Streamのビジネスプランを説明してくれました。
その時点で、YouTubeが必然的に成功することを予言していた証拠として。

近著「頭がいい人が儲からない理由」は、橋本大也さんの日記で見た覚えがありました。

頭のいい人が儲からない理由 (講談社BIZ)


正直、学位やキャリアなどのスペックからして、いかにも自分が攻撃されているような
気がしないでもなく、抵抗感がなかったといえば嘘になります。

しかし、お会いしてみて、いかにも同類、という感じも抱きました。
頭の強い(see 西澤潤一教授の随筆)、粘り強いアイディアマン。

そう、無軌道ぶり、波瀾万丈気味のキャリアでは負けていないのかもしれません。
しかし、経営者としては百倍以上の実績を眼前に、圧倒されないように自分を保つ必要も少々感じました。

他の方の書評です:
http://smoothfoxxx.livedoor.biz/archives/50943571.html
http://d.hatena.ne.jp/risk-taker/20070828
http://amazon.co.jp/o/ASIN/4062820455/drosci-22/ref=nosim
http://www.ringolab.com/note/daiya/archives/004978.html

お話できたのは短い時間でしたが、非常に刺激になりました。

講演の短い事前紹介はこうです:
ウェブマネーのビジネスモデル構築の中心的存在であり、
 現在、株式会社フロイデ会長ならびに山形大学客員教授でもある
 坂本桂一氏に、インターネットビジネスにおけるWeb2.0を俯瞰し、
 今後のビジネス動向をお話頂きます。」


以下、耳に残った坂本桂一氏の言葉から:

- 私は技術者じゃない。実業家。
- 悩んでいた現場責任者の高津事業部長に、米国の真似はやめて
 「日本人が慣れているプリペイドカードにしては?」と言った。
- カードもってない人でもネット上で買える。つまり子供に金使わせるアイディア。
- コンテンツ流通のために考えられたもの。少額決済には個人情報のせたくないし、
  アダルトにも。
- どんなサービスも、最初は誰も使ってくれない。
- Web money の販路は、限定、限定。。 販路拡大してたらビットキャッシュと同じ運命。
- Web money はビットキャッシュの100倍、1000倍になった。
- ★売らずに、使ってくれるサイトを増やすことにのみ注力。
- ★未来考えるのは簡単。(!?)
- メカニズムから推定される未来は必ずやってきます。
   HDTV, IPv6
- キャベツ1つの種まいたらアドレス1つ発行。最後誰かが食べて土に還るまでトレースできる。

「私の知っている世に成功者と呼ばれる起業家たちは例外なく、
もうこれ以上無理だというくらいギリギリのところまで考えに考えて、
頭の中に完璧なイメージをつくりあげてから行動を起こしている」

「成功の確率を高めたかったら、最初に課題を明確にし、その課題は
こうやって解決するという仮説を考えられるだけ挙げ、徹底的に比較検証し、
そこからもっとも優れたひとつを選んで戦略とするという正しい
やり方で戦略を立てることを学ぶべきだ」

「社長がどうでもいいようなことにも徹底的にこだわる執念深さの
持ち主だと、近くでみている社員にもそれが伝染し、やがて会社の
風土になる。これこそが、執念深い社長が成功する理由なのである」

まだまだ敵いません。
しかし、破産してちり紙交換のリヤカーを引いて日銭を稼がなくとも、
彼のようになれなくはない、と信じております。