nomuran's diary

野村直之のはてな日記(後継ブログ)です

R.Schumann 22: 「もし皆が第一バイオリンばかりを弾きたがったら・

音楽で心得ておくべきこと 22

「もし皆が第一バイオリンばかりを弾きたがったらオーケストラはまとまらない。したがって、どのポジションにいる演奏家も尊敬しなければならない。」(R.シューマン)

 この文だけを見ると、職業に貴賎無し、楽器奏者を含むすべての仕事は等しく重要、と言っているかに響きます。しかし、よく読むと、そうは言っていません。役割の違い、もしかしたらその重要度も違うかもしれないけれど、みなが必要不可欠な存在であり、敬意を払われるに値する、と言っています。

 会社組織のあり方、運営の仕方にも示唆を与えてくれそうです。
印象的に思い出すのは、某社の執行役員さんに対して「雑用でなく本業を支援する情報システム、ワークフローエンジン、、」云々と言った際に、なにやら恐怖の表情を浮かべられたエピソード。

「雑用」とは何か?
「本業」とは何か?

何か、この事実、、ないしは、その人がどう定義し、どう捉えていたかがバレたらまずい、と思われたかのように直感しました。

 おそらく、大多数の部下達に、自分よりつまらない仕事をやらせていて、自分の仕事が最も偉く、面白く、価値がある、と思い込んでおられたのでしょう。

 私が上司や経営者として振る舞う際には、まったく違います。自分のスタッフ達が最高に気持ちよく、創造的に働けるよう、あらゆる雑用をこなし、あるいは、彼ら彼女らが思いも寄らないような視点やアイディアを提供するなどして、サポートするのです。

 だから、決して「恐怖の表情」を浮かべることはありません。
雑用と本業の違いがあることも堂々と認めます。本音では、雑用的な仕事をともかくこなして欲しいのだとすると、はっきりとそう言います。それを工夫しながらこなすことによってどんな凄いスキルが獲得でき得るか、なんて蛇足を言うことも多いですが(笑)。

 ソフトウェア開発チームにおける主役と脇役、、これについては別途また考えてみたいと思います。

(野村直之)