nomuran's diary

野村直之のはてな日記(後継ブログ)です

R.Schumann 04:「幼少の頃から和声の基礎的なことを勉強しておきなさ

音楽で心得ておくべきこと 04

『幼少の頃から、和声の基礎的なことを勉強しておきなさい』

3番目のところで書きましたが、長調短調ごとの3種の3和音にはじまり、属七、、などなどはきっちり勉強しておいた方が良い、と。

自分の場合は小学校高学年になってから、「楽典」の本を2,3冊買ってきて独学で勉強したのでイマイチでした。(少し遅いしピアノやってなかったこともあって不完全)

、となると、次の世代で挽回!という発想をついしてしまいますが、結局ピアノはやらせなかったし、特別な教育もしていないかったような。

1つだけ思い出すのは、子供が2歳になったばかりの頃、「ウルトラセブン」のDVDを見せたら大好きになり、主題歌に合わせて楽し〜く身体を動かして踊って歩いた様子です。

最近、「ウルトラセブン」はなにやらパチンコ台の新種としてヒットしているようですが、、オリジナルシリーズはなにより冬木透さん(当時TBS社員の何でも屋。のちに桐朋音大作曲家教授。)の曲の素晴らしさが圧倒的。

クラシックの交響曲ばりの主題歌。あるいは、ワーグナーの楽劇ばりの「ライトモティーフ」で、一貫して各登場人物の動きや場の雰囲気を描写した様子は、スコアを忠実に録音したサウンドトラックCDで味わうことができます(宇宙IIとか。。)

華やかで荘厳な響きを生み出す変ホ長調(Es dur)の主和音ではじまる主題歌。トランペットとホルンが、変ホ長調の階名「ドソー」「ミドー」「ソミー」「ドソー」、「ドッドッドッ(せぶん、せぶん、せぶん!」、「ッソ、ソー!(ホルン達がグリッサンドで音をソドミソー!と上向して咆吼)」

「はーるかな|ほしがーーー」(少年+男声合唱
  「ッソドミソッ、ッソドミソー」(ホルン)
「ふーるーー|さーとーだー」
  「ッソシレソッ、ッソシレソー」(ホルン)

和声を展開しただけのような単純かつ魅力的なメロディーにのった主題歌は、実に教育的に優れていたのではないか、と思います。

子供は、『ウルトラ警備隊』の唄も大好きでした。
これも、郊外、田舎のすがすがしい朝のシーン、などにアレンジされ、美しいホルン2重奏から低音トランペット2本に引き継がれる、シンプル且つ魅力的なものでした。

田舎の雰囲気ですから、ベートーベンの『田園』と同様、当然へ長調F dur)です。
「ソーソ、ドド、シーラソ
 ドーレミファ、ミミド」
(ミーソドレ、 ドドミ) 

そう、この括弧で付けた2番ホルンが自然倍音で寄り添う和声進行こそ、楽典で「ホルン5度」と呼ばれる独特の美しい和声。

自然倍音は、音高(周波数、ピッチ)が美しい整数比になった純正律の音階、完璧な和声の響きを「美しい!」と感じるための基礎です。これについては、むしろあまりに平均率のピアノに馴れていると、発達が阻害される、という説があります。声楽や金管楽器をやると、自然に身に付きやすかったりします。

それで、「ウルトラセブン」を楽しんで聞いていた2歳児のために、私以外にもう1人〜3人ホルン吹きを連れてきて(楽器は3台ありますので奏者だけでも良い)、生で和音を聞かせたかったなぁ、と思ったりしたものでした。


他の分野でも、数学的に美しい、和声に相当するような基礎要素は見当たるものでしょうか。実体験として、美しい和声に感動したり楽しんだりしないと身に付かない。同様の経験知識(でも原理、理論も完全)を整理しておくと素晴らしい修行になるような領域が沢山あるかどうか、、ちょっと考えただけでは思い浮かびません。

誰か如何でしょうか? (野村直之)