nomuran's diary

野村直之のはてな日記(後継ブログ)です

「そのモデルが覆るような新発見ができて初めて、実験し

「みんなモデル、モデルって言って格好いいことしたがるけど、それが実データで実証できたなんてのは殆ど捏造もいいとこ。そのモデルが覆るような新発見ができて初めて、実験した意味があるんだよ。」 

 これは、東大計数工学科数理コースの1984年の卒業生へ向けた、伊理正夫先生の餞のことばです。

 いまなら、モデルよりもアーキテクチャ、と言い換えた方が効果的でしょうか。工学系に多い大本営発表的な論文( コメントby佐伯先生@東大教育)を22年前に戒めていたことになります。


「本当の評価って何だろう?」
ベンチャービジネスの経営や投資にも必要な根本的な疑問に応えるには、少々研究上のブレークスルー期待寄りに偏っているやもしれません。しかし、月並みな、平凡な事業では決して技術力で高成長はできない、と考えたとき、1つの突破口として、自戒の言葉として思い出すべきなように思います。

 伊理先生は、当時の身近な体験で業を煮やしてたときについつい出てきたさりげないコメントだったかもしれません。字句までは正確に記憶していませんが、意味内容は2度と忘れることのない、有難い言葉を大学卒業に際していただいたものであります。