nomuran's diary

野村直之のはてな日記(後継ブログ)です

未来への提言「思想家 ノーム・チョムスキー〜真の民主主義を育

未来への提言「思想家 ノーム・チョムスキー〜真の民主主義を育てる〜」
http://cgi4.nhk.or.jp/hensei/program/p.cgi?area=509&date=2008-09-07&ch=11&eid=32482

 宮川繁先生から連絡いただき、本日の再放送をしっかり見ました。10歳の息子もしっかり最初から最後まで見ました。

 1993年から1994年にかけてMITに滞在していた際、宮川先生にお世話になりつつ、チョムスキー言語学に深く傾倒し、当時生まれたてのMinimalist理論をそれなりに理解し、普遍語彙論(項構造の生まれるモデル)を作ってみた、という過去があります。その一方で、1度だけ、いわゆる政治集会に出て、人類史上傑出した民主主義思想家としてのチョムスキーにも触れる機会がありました。

 今回の番組では、NHKに協力して、宮川先生は言語学の話題は控え、冷静なインタビューアーとして、80歳になろうとするチョムスキーから見事に言葉を引き出しておられました。民主化とインターネットの関係がどうしても避けて通れない中、MITの偉業の1つとして、宮川先生自身が主導的役割を果たしたOCW (Open Course Ware) のことをチョムスキーが高く評価していることを、本人の言葉から確認できました。

 その後半、彼の言うインターネットの影の部分、ネットが人々の孤立を深める道具になる恐れがある、という部分について、もう少し掘り下げて理由が聞きたかった気がします。

 技術の影の部分については、技術で解決すべし、と考える立場からは、Mextractr (Metadata ExtractorのWeb2.0流のネーミング)が、個人では読みきれない情報を、本人になり代わってチェックし、記事の前面に出た「意見」に惑わされず、5W1Hの事実情報を押さえるのに貢献して欲しい、それにより、為政者の洗脳など跳ね返せる力を、ネットが健全に発揮し続けるのを助けられないか、などと考えました。

 大部分開封せずに溜まる一方だったMailing Listのメールや、独立系ニュースサイト上の記事の中から、自分や、関心のある人の行動の5W1Hにひっかかる情報(例えば自分の出張先にその期間に開催されるイベントの情報)を漏らさず、見られるようになり、個人が従来読むことのできた量の数十倍の情報を、自分の意思でコントロールできるようになる。このような道具をうまく使えば、大量の情報を浴びせることによって、疑うことをやめさせたり、反論を抱くセンサーを麻痺させるようなマーケティングに対抗できるのではないか、ということであります。

 Mextractrは、常に自分の頭で考え続ける、主体性をもった全ての個人に捧げたい、と思います。もちろん、目的をもったグループ、組織にとっても、雑用的な思考を肩代わりし、集団の成員、個人が、創造性を発揮して思考するのにも役立つ、と確信しています。