S.ジョブズ氏死亡記事誤報に同情
マスメディアの人々は、1時間単位、分単位の締め切りに向けて高速に資料を集め、読み、原稿を書くという大変な仕事をされています。そんな彼らのアテンションを分けていただくために、プレスリリース原稿などは、要点を押さえて書くよう、十全の配慮をしています。
そのスタンスを強化したくなる、彼らに同情したくなる記事を読みました:
「Steve Jobs 氏の訃報、Bloomberg が予定稿を誤配信」
http://japan.internet.com/busnews/20080901/11.html?rss
「17ページにわたる死亡記事原稿」!
確かに、亡くなってから業績を確認して書いていくのでは、遅れをとってしまうことでしょうね。
CPUアーキテクチャの世界では、パイプラインの乱れの発生確率を低減するために、「投機実行」という仕組みが使われています。分岐予測で、過去の履歴から、高い確率で分岐しそうな命令列を選びつつ、あらかじめ実行してしまいます。片方の処理結果はムダになるのを承知で、両方向とも実行してしまい、クロックあたりの平均命令実行数を全く落とさない、ということもできます。
極端にリアルタイム志向で、多少燃費が悪くなろうと、事前に「投機実行」で記事を書かねばならないメディアの記者さん。リアルタイムに公開できる仕組み、そのUIが「使いやす過ぎる」ために、今回の誤報配信が起きた、といえるでしょう。
>Job 氏への追悼コメントを依頼する著名人の長いリスト
いくら投機実行、といっても、この著名人達に実際に追悼コメントを書いてもらうところまでは不可、ですね。(微笑)
ps コンピュータの内部の投機実行についも、同じことがいえるでしょう。
CPU(編集部)の内部では投機実行していてもいいけれど、HDDへの書き出しや画面への表示までやってしまうわけにはいかない、ということですね。