nomuran's diary

野村直之のはてな日記(後継ブログ)です

[中判カメラ]大物競り落とし断念&7品・出品

 前日深夜、Kodak DCS 645M Pro Backという中判デジタルバック(37mm x 37mm正方形CCDで1600万画素;発売当初12000ドル)を実質15万程度のところで、半ば意図的に競り負けました。こういうときに熱くならずにコントロールできる性格には感謝して良いのですが、これが正解だったかどうかは100%定かではありません。

645の中判銀塩スライドですが、35mmフィルムの約3倍の面積があってルーペなしにも美しい画を鑑賞できるし、6000万画素+現行デジタルの及ばないダイナミックレンジというメリットがあります。かつ、35mmフィルムより安いのです。いまのところ。

______645____35mm
------+--↓-------↓---
film代 | 1070円| 950円|
------+-------+-------
現像代 | 1050円| 894円|
------+-------+-------

 645は32枚撮りで、35mm は36枚撮りという違いはありますが、それでも、フィルム面積あたり、2倍以上のコスト差があります。そして、解像度的にも色の深さ的にも、また、大面積で浅い被写界深度による空気感、品位の点でも、現行デジタルに差をつけることができます。

 とはいえ、1コマあたり70円近いコストは、年間じっくり撮って1000枚として7万円のコストがかかります。
デジタルバックになれば、安いから、年間1万枚くらいとっちゃいそうです。みんなRAWだし、ライトルーム(ソフト)での「現像」とか、まぁ、いろいろ時間もとられてしまいそう。

 で、20年後か30年後に、自分に時間的余裕ができていれば、おそらくその頃の技術で、丁寧に撮りためたスライドフィルムを最高の環境で安価にデジタル化できるのではないか、という期待もしています。その頃にはフィルムは根絶されていてデジタル化の技術自体が無くなっている可能性も否定できないのですが、まぁ骨董品のスキャナを探すなりして、何かはできるでしょう。



買い物欲を抑えたときは、逆に売り物を出すことで、満たせることがあります。
おまけに、月間10点までヤフオク出品無料キャンペーン(6月まで)ということで、大した節約ではないにしても、売れそうにないかもしれないものまで、「出してみるかな」というきっかけ作りにはなりました。

で、カメラ関係を中心に7点出品。中判のレンズの整理です。
1999年に新品7万円台で買ったFuji GA645Wi に早速40000円の値がつきました。
あと6日で、50000円超にあがるとして(2月に同じ品が58000円で落札されてました)、
9年間の「使用料」は、年間2000数百円。月に200円で使用できたことになります。
645広角レンズ最高峰といえる画質で、600g台と、気軽にお散歩でAFや内蔵ストロボでスナップでき、日付時刻、シャッター速度と絞り、という「メタデータ」が赤い字でフィルム横に写しこまれてラクチンで、とても満足な思いをさせてくれました。

モノについては、本当に中身が優れていて自分が高く評価でき、満足できるのに加えて、第三者、他人も同様に高く評価してくれるものを選べば、たまにはとてもお得感のある体験ができる、ということでしょうか。「売り」が出来るためには、所有意識を下げ、「どんなモノも所詮はこの世(神様?)からの借り物」という感覚に切り替える必要もあったりします。

戦中戦後のモノ不足時代に東京で飢餓生活をした母に育てられてせいもあってか、なかなかモノが捨てられない私でしたが、このようなC2Cのインフラのおかげもあって、買い物欲を、売りの作業で満足させられるようになったような気がしています。そうです。子供が生まれながらに持っているかにみえる物欲は相当減退したけれど、(モノだけでなくサービスに対しても)買い物欲はまだ十分残っているのですね。これも子供の頃、母につきあってスーパーの価格の前日との差分を瞬時にチェックする癖がつき、買い物袋を両手に3つ4つぶらさげて持って帰るのを「幸福」と感じた体験がぬぐいされないせいかもしれません。

オンライン・ショッピング(しつこいですがサービスの購買も含め)についても、上記の欲求を擬似的に満たしてくれるUIのものを選ぶことで、コストパフォーマンス(時間&経済)の高い体験を増やすことができそうだ、となんとなく思っています。