「見つけやすさ」=潤沢経済における8つの価値の最後
[BM]はビジネス・モデルの略です。
昨日も某セミナーで、「潤沢経済とアテンション・エコノミーが現出した今日、
SaaSやネット上のビジネスモデルはもちろん、サービス化という変化の洗練を受けるビジネスモデルはすべて見直すべし」、と説きました。単なる見直しではなく、独創性、発想力を投入し、アイディアを検証し、現場で修正し続けること。これには大変な知力と行動力が必要です。
デジタル化 → コピー&流通コストがゼロに → チープ革命。
この連鎖だけでは、経済は縮小の一途をたどってしまいそう。
し・か・し、市場(ニーズ)が加速し、それに応えるためにビジネスが加速すれば、サービス化、リアルタイム化が起こり、いかに適切に(必要な場で必要な瞬間)、消費の現場にサービスを届け(創出)できるかの競争となります。裏返せばデジタル・サービス創出&配送システム(の構築と運用)が価値の源泉となるわけです。
もうひとつ、ユーザの注意力・関心(を得る仕組み)が価値の源泉、という主張がアテンション・エコノミー。
以上の2つの価値の源泉をブレークダウンしてくれた翻訳をみつけました。感謝!
無料より優れたもの著者 ケヴィン・ケリー Kevin Kelly
訳 堺屋七左衛門
経済モデル、ビジネスモデルの枠組みとしては未整理かもしれませんが、直感、経験則の裏づけがありそうで、この文章には大いに価値を見出しました。
今日の8つの価値の源泉とは:
・即時性 例:初物、封切り日
・個人化 例:オーダーメード創薬
・解釈 例:「ソフトウエアはタダ、マニュアルは10,000ドル」
・信憑性 例:本物との鑑定
・アクセスしやすいこと、責任もった保管・管理のサービス
・具体化、実体化 例:紙の出版サービス
・後援 例:個人(伝統的には有名人)とつながる価値
・見つけやすいこと 例:無料TV放送のTVガイド
この最後のポイントを見て、「そのとおり!」とはたと膝を打ってしまいました。
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前述の生成力のある性質は独創的なデジタル作品に内在しているのに対して、見つけやすいということは、多くの作品の集合体に対してもっと高いレベルで出現する資産である。価格がゼロであることが作品へ注意をひきつけるのに役立つわけではない。実際には時として妨げることさえある。値段がいくらであっても、作品は見られない限り価値がない。未発見の名作など無意味だ。何百万冊もの本、何百万曲の歌、映画、アプリケーションプログラムやら何やらが私たちの注意を惹きつけようとしていて、しかも大部分が無料である中で、見つけられるということには価値がある。