nomuran's diary

野村直之のはてな日記(後継ブログ)です

1983年 新響の復活

第101回演奏会(11月1日)東京文化会館
マーラーシリーズ5>
柴田南雄北園克衛の「三つの詩」
マーラー交響曲第2番「復活」
指揮:山田一雄  独唱:大島洋子、木村宏子  合唱:新星日響合唱団

エキストラに呼ばれました。(その後、入団)
バンダ(終楽章だけ、遠い5階席に登場;実音F-C-, F-C-, CGCf-g-f-, CGCf-g-f-, f-C-f-c-f'(いわゆるハイFを長く吹き伸ばしてディミュニエンド))でなく、下吹きの頭領としても、また、
1stとユニゾンとしても活躍する2ndホルンでした。

上から下まで安定して大音量で鳴らせる若者がいるらしい、ということで、
まだ大学オケ現役(夏の地方公演、連続コンサートでブラームス1番の1stを務めた後、後輩に譲った。しかし見捨てるのか!と3年生4人に怒られて翌1月の定演でアシストで出演する羽目に)でしたが、名誉な幸運にあずかった次第です。

新日フィル首席Trpの大倉さんも一目おくN崎さんの超人技を真後ろに聴いて感嘆したり、などの初体験も様々でしたが、何より強烈だったのはヤマカズ先生です。→ [マーラー] 2番のスレをご参照ください。

BPO(ベルリン・フィル)が大事な合唱付き演奏会のとき日本から呼ぶ晋友会に象徴されるように、通常、アマチュア合唱団の方がオケより上手といわれます。しかし、、もう時効と思われるので書きますが、当時、指揮者いわく、 
オケ >>合唱 でした。あらゆる面で。たとえば、オケの人間の方が歌詞の深い意味を理解しているとか。。

だから、というわけでは決してなく、ご自身が強く望んだ結果、ソプラノ独唱の大島さんは、「合唱パートも是非うたいたい」とおっしゃり、通常ではありえない重労働を、しかも合唱パートのときは決して目立たないくぐもった声で補強してくれ、歌いきってくださいました。アルト独唱とともに、深く、曲の内容、歌詞に共感しておられたようにお見受けしました。

熱演でした。
しかし、傷は新響にしては多かったように記憶しています(手元に録音ないので程度までは確認できません)。

オルガンのスピーカーを置いた関係で反響板を密閉できず、ちょうどホルンのベルから出た音が舞台裏に吸い込まれてしまい、いくら大音量で吹いても効果が薄く、辛かったです。

そこで、ホルンが一斉にベル・アップした際には、ほとんど客席へベルを向けるようにしました。1番”タイタン”(ホイヘンス号がパラシュートで着地し映像を送ってきましたね!)と違い、 立ち上がって吹け、という指示はありません。クラリネットをはじめ、木管もベル・アップ、という指示は目立ちました。

立って吹くのはバンダ達。ホルンは、high Fではずさなければ大して難しくないのですが、猛烈に速いパッセージをバンダの打楽器達と吹きこなす舞台裏のトランペットは実は非常に難しいです。もちろん、舞台上の1stほど英雄的だったり、4楽章のppの天国的なコラールをリードする美音が期待されるわけではないですが。


この演奏会で私が使った楽器は、こちらです:
http://d.hatena.ne.jp/nomuran7/20041219