nomuran's diary

野村直之のはてな日記(後継ブログ)です

素材は活かすべきだが素材に引きずられてはいけない

2007-09-25の日記 でご案内したXML Consortium 第3回 Web2.0部会は
素晴らしいクリエイティブな場を借りて、技術シーズから、ユーザ視点での
マッシュアップの評価、そして実際に開発した者にしかわからない苦労話
を共有できて、大変有意義だったように思います。

後日、各種メディアや学会でも語りたいと思いますが、マッシュアップ
最大のポイントは、やはり「アイディアが一番大事」というものでは
ないでしょうか。

・アイディア着想〜練り上げ〜評価・選別に1ヶ月
・実装〜改善〜稼働に3〜6日

ここから得られる帰結の1つは、
・3日でいける実装を2日に短縮するツールを作るよりは、
 より良いアイディアの誕生を刺激し、素材の可能性を事前に吟味・比較評価できる
 環境を提供すべし、ということであります。

※だから、"API比較" http://www.api-match.com こそ、マッシュアップ支援の本命だと自負しております。

アイディアのマッシュアップ
それには、異質の素材を同時にまな板に並べて鋭く眺め(ねぶり)回したりできる必要があります。
似たものを並べて、比較的いまいちなものを落としてどんどん絞っていくのは、類似APIがわりと多いとき。
それ以外は、異質のものを並べて、つながるかどうか、つないだらどんな面白いことができそうか、
豊富なプロフィール(メタデータ)を眺め、手前に突きだして見えてくるものを「発見」する
と、発想の質と速度が10倍上がることもあるのではないでしょうか。


「作品」の評価は大変難しいものがあります。
しかしながら、おそらく80%近くは、「あ、もういいです。」(カン、カン(NHKのど自慢の鐘))
とすぐわかる。

なぜでしょうか。

部会の司会をしながら、理由がわかりました。

それは、明らかに「素材に引きずられて」いるからです。
それも、自分がこれこれやりたい、というのが最初に無かったのさえ見えちゃったりするレベルで。

何かと何かを足して、動いたら、それに、きゃっちーな名前を付けてみたり、とか。
リアリティのある利用シナリオが全く思い浮かばないし、もちろん実用にもならない。

素材に引きずられているから、デザイン上の個性も主張も感じられない。


素材の「アク」が強いと、いくらコンセプトを強固にしても、
引きずられる要素が出てくるもので、(部品の配置の自由度が少なくて苦労したり、なども)
API比較も、その要素がなくはない。(反省!)

でも、素材を活かし、元の素材を超えた味、魅力を引き出せば、
包丁の腕をふるった価値があるというものですね。

なんとかそこまではいけている、と思いたいです。